重要確認事項です! 家を建てる際に必要となる費用の詳細について!!
不動産を購入し家を建てる過程では、土地の購入が最初のステップとなります。土地の購入だけでなく、売買代金以外にも多種多様な費用が発生します。概算では、土地売買価格の5%程度が必要とされていますが、土地の状況によってはこれが大きく変動することもあります。一概に費用がいくらとは決めつけることはできません。
この記事では、土地を購入し家を建てる過程でどのような費用が発生するかについて整理し、あらかじめ予算計画を立てるための情報を提供します。予期せぬ出費で予算が大幅に崩れ、建築費用を削る必要が出てしまうといった事態を避けるために、費用についての事前の理解が大切です。
この記事で取り上げる内容は次の通りです:
① 土地の購入にあたって土地の購入代金以外にかかる費用
② 土地購入時にかかる「税金」について
③ 建築工事に伴う費用の種類と、それぞれの概要等
まず、土地購入に伴う主な手数料や報酬、ローン関連の費用について詳しく見ていきましょう。
~table of contents~
- 1 土地購入に伴う手数料や報酬、ローンの費用など
- 1.1 ◆ 媒介手数料(媒介報酬)
- 1.2 ◆ 司法書士報酬
- 1.3 ◆ 土地家屋調査士報酬
- 1.4 ◆ 土地購入ローンの申し込み、借り入れに伴う費用
- 1.5 ◆ 各種の清算金
- 1.6 ◆ 住民票/印鑑証明書取得費用
- 1.7 ◆ 実印作製費用
- 1.8 ◆ 登記事項証明書代
- 1.9 ◆ 振込手数料/預手発行手数料
- 1.10 ◆ 登録免許税 (国税)
- 1.11 ◆ 不動産取得税 (都道府県税)
- 1.12 ◆ 印紙税 (国税)
- 1.13 ◆ 消費税
- 1.14 ◆ 古家の解体費用/整地費用
- 1.15 ◆ 測量費用
- 1.16 ◆ 地積更正登記費用
- 1.17 ◆ 地盤調査/地質調査/地耐力調査費用
- 1.18 ◆ 擁壁築造/改修費用
- 1.19 ◆ 住宅性能評価書取得費用
- 1.20 ◆ 長期優良住宅認定手数料
- 1.21 ◆ 設計・監理料
- 1.22 ◆ 建築確認申請費用
- 1.23 ◆ 建築許認可手数料
- 1.24 ◆ 地鎮祭費用
- 1.25 ◆ 上棟式費用
- 1.26 ◆ 電柱移設費
- 1.27 ◆ 歩道の切り下げ工事費用
- 1.28 ◆ 私道掘削承諾料
- 1.29 ◆ 各種の一時金
- 1.30 ◆ 住宅用家屋証明書取得費用
- 1.31 ◆ 住宅瑕疵担保履行法による保険料
- 1.32 ◆ 引越し費用/家具などの購入費用
土地購入に伴う手数料や報酬、ローンの費用など
◆ 媒介手数料(媒介報酬)
不動産会社の媒介によって土地を購入するときには、媒介手数料が必要です。媒介手数料の上限額は「土地価格×3.24%+64,800円」(消費税率8%の場合)で計算することができます。
◆ 司法書士報酬
登記申請手続きを司法書士に代行してもらうための報酬で、登録免許税(登記に対する税金)とは別にかかる費用です。土地の所有権移転登記およびローンを借りて抵当権設定登記をするときに必要です。
◆ 土地家屋調査士報酬
土地の確定測量や現況測量、分筆、合筆などをするときに、土地家屋調査士(または測量士)への報酬が必要となります。大方は売却する売主様が負担していることが多い。
◆ 土地購入ローンの申し込み、借り入れに伴う費用
(つなぎ融資を利用する場合の金利)
ローンの保証料、事務手数料、融資手数料などは申し込みをする金融機関によって異なるため、事前によく確認しておくことが必要です。申し込みにあたり給与所得者の場合は課税証明書、自営業者は納税証明書(その1、その2)を求められる場合があり、その取得費用もかかります。また、つなぎ融資の利用が必要な場合には、借り入れ期間に応じてそれなりの金利がかかりますから、建築の予定と合わせて事前に試算しておくようにします。
◆ 各種の清算金
(固定資産税や都市計画税、土地の権利が借地権の場合における地代、私道負担金、町内
会費などを、引き渡し日を境として日割り(または月割り)で清算します。)
◆ 住民票/印鑑証明書取得費用
住宅ローンの申し込みや登記申請の際に必要となります。
◆ 実印作製費用
ローンの手続き(抵当権設定の手続きを含む)をする際には実印が必要ですから、もし実印として使える印鑑がなければ、あらかじめ作製しておくことが必要です。
◆ 登記事項証明書代
登記完了後の登記事項証明書などを受け取るため、通常は司法書士へ報酬と併せて支払います。
◆ 振込手数料/預手発行手数料
売買契約の残代金は金額が大きいために、現金ではなく「預金小切手」(預手:よて)もしくは振り込みにより支払うことが大半です。
土地購入にかかる「税金」のあらまし
土地を購入したときや注文住宅を建てたときには、いくつかの税金の負担が必要です。想定外の出費で資金計画が狂わないように事前のチェックが欠かせません。
◆ 登録免許税 (国税)
土地の所有権移転登記、建物の所有権保存登記(新築)、ローンに対する抵当権の設定登記などを申請するときに課税されます。個人の住宅や土地には軽減税率や特例税率が適用されることもあります。
◆ 不動産取得税 (都道府県税)
住宅用家屋とその敷地には軽減措置があり、実質的に課税されないケースもあります。軽減措置を受けるためには、取得後一定期間内(自治体により異なります)に、取得した不動産を管轄する都道府県税事務所などへ申告書を提出することが原則です。
これらの軽減措置は住宅を建てることが前提であり、土地を購入した後に更地の状態で何年もそのままにしておくようなときには適用されないものです。
また、課税される場合には、一連の取引が終わりしばらく経ってから納税することになるため、そのときになって慌てることがないようにしなければなりません。(自治体により異なりますが、3か月~6か月後ぐらいが多い)
◆ 印紙税 (国税)
土地の売買契約書、建築工事請負契約書、金銭消費貸借契約書(ローンの契約書)などには印紙税が課税されます。売買金額や請負金額、借り入れ金額によって税額は異なります。
◆ 消費税
建物の建築工事請負代金や、媒介業者、金融機関、司法書士、土地家屋調査士などへ支払う各種の手数料(報酬)には消費税が課税されます。
建築工事~完成、入居に伴う費用の概要
土地を購入して、ハウスメーカーや工務店で家を建てようとするときには、新築や中古の住宅を購入するときとは異なる費用も多く、想定外の出費で予算を超えてしまうことも起こりがちですから、特に注意しなければなりません。
また、同じ費用であっても建築工事請負契約代金に含まれる場合と、別途支払いが必要な場合があり、依頼する相手先によって負担するタイミングも異なりますから、建築工事請負契約を締結する前に見積書や契約書の内容をしっかりと確認することが大切です。
購入する土地の条件によって大きく左右される費用もありますのでお気付けください。
◆ 古家の解体費用/整地費用
古家付きで土地を購入したときには、当然ながらそれを解体しなければなりませんが、廃棄物処理費用の問題もあり、解体費用は意外と多くかかるものです。
また、隣接地の建物の状況によっては、こちらの解体工事(およびその後の新築工事)による影響の有無を調べるための「家屋調査費用」が必要になったり、解体する建物が鉄筋コンクリート造などの場合には相当な騒音を発生させることから、いくらかの「迷惑料」を近隣に支払わざるを得なくなったりするケースもあります。
なお、古家の解体工事費用を土地の売主が負担するのか、それとも買主が負担するのかといった決まりはなく、あくまでも売買契約での取り決めによります。売主に負担させる場合は、そのぶん売買価格が高くなることもあるでしょう。
解体工事に伴う廃棄物処理費用もかかるほか、古家にアスベストを含む建材が使われていたときには、その対策費用がかかる場合もあります。
◆ 測量費用
購入した土地に明確な測量図がない場合には、必ずしもやらなければならないわけではありませんが、これを機会にしっかりと測量をしておくほうがよいでしょう。
測量をする際には、土地の面積に応じて費用が決まるほか、測量を依頼する土地家屋調査士や測量士によっても手数料が異なります。また、隣地の承諾印を得るにあたり、いくらかの「ハンコ代」(決まった相場はありません)が必要になる場合もあります。
◆ 地積更正登記費用
実測によって得られた面積と登記された面積が異なる場合に、登記面積の修正(更正登記)を買主がするのであれば、その費用(土地家屋調査士報酬など)が必要です。
◆ 地盤調査/地質調査/地耐力調査費用
建物の建築工事そのものには欠陥や手抜きがなくても、敷地の地盤が弱かったり何らかの問題があったりすれば、不同沈下によって建物が傾くことにもなりかねません。
地盤の強度に合った適切な基礎工事をするためにも、地盤や地質、地耐力の調査はしっかりと実施してもらうようにするべきです。調査の結果で地盤改良工事が必要だとされれば、新たに数百万円の出費を強いられることもあります。
◆ 擁壁築造/改修費用
隣地との間に高低差があって、新たに擁壁を築造しなければならない場合や、すでにある擁壁の改修をしなければならない場合には、数百万円もの費用負担が必要となるケースもあります。さらに、隣地との敷地境界にあるフェンスやブロック塀が老朽化していて造り直す必要があるときにも、その費用負担を考慮しておかなければなりません。
◆ 住宅性能評価書取得費用
ハウスメーカーや工務店が住宅性能評価書を取得しない(請負契約の中に含まれていない)場合には、別途の負担でこれを取得することもあります。
◆ 長期優良住宅認定手数料
2009年6月4日にスタートした長期優良住宅の認定制度では、さまざまな税制上の特典なども用意されていますが、この認定を受けるためには自治体への手数料が必要です。建物の床面積、および登録住宅性能評価機関の審査を受けたかどうかによって、認定手数料の金額が異なります。
◆ 設計・監理料
ハウスメーカーや工務店に設計も任せた場合は建築工事請負金額の中に含まれますが、設計および工事監理を建築家などに依頼した場合は、建築費の10%~15%程度の費用が別途に必要です。ただし、その代わりに工事請負金額がある程度は安くなるでしょう。
◆ 建築確認申請費用
設計・監理料の場合と同様に、設計をハウスメーカーなどではなく建築家に依頼したときには、建築確認申請費用が請負金額に含まれず、別払いとなるケースも多いようです。
◆ 建築許認可手数料
敷地の前面が建築基準法による道路ではない場合における法43条のただし書き規定適用の許可申請をはじめ、敷地の状況によっては建築確認申請前の段階で何らかの許認可や審査を要することも多くあります。このようなときには数千円~数万円(自治体により異なります)の手数料が必要です。
◆ 地鎮祭費用
工事着工前には地鎮祭を執り行ないます。必ずしもやらなければならないわけではないものの、これから建てる家で平穏に暮らせることを祈願するためにも、ぜひ検討したいものです。
◆ 上棟式費用
地鎮祭と同様に、上棟が終わった時点で上棟式(建前:たてまえ)をすることがあります。工事の安全を祈るだけではなく、近隣とのコミュニケーションを図るうえでも、積極的に検討したいものです。
◆ 電柱移設費
敷地の前に電柱があって建物や車庫を配置するうえで邪魔になるときには、それを移設してもらうことができる場合もあります。移設が可能かどうか、その費用負担があるかどうかなど、個々のケースで異なります。
◆ 歩道の切り下げ工事費用
車庫を造ろうとする位置に歩道があり、その歩道と車道との間に段差があるときには、原則として歩道の切り下げ工事をしなければなりません。施工内容やそれぞれの状況によって負担費用は大きく異なります。
◆ 私道掘削承諾料
物件によっては、水道管、ガス管、下水道管などの埋設工事をやり直さなくてはならないときがあります。
敷地の前面が私道の場合には、工事内容に応じてそれぞれの所有者や共有者から掘削承諾書を取得しなければならないこともあり、その際に「承諾料」または「ハンコ代」としていくらかの金銭を支払うケースも少なくありません。(このような理由から私道の通行・掘削承諾は、自分が所有者になる前の売主の段階で取得してもらう事をお勧めします)
◆ 各種の一時金
新築一戸建て住宅の場合に水道加入金(水道施設負担金)、その他契約に基づく費用などが必要になる場合もあります。また、町内会や自治会の一時金として転入者から数十万円の金銭を(半ば強制的に)徴収するところも、全国の中にはいくつかあるようです。
◆ 住宅用家屋証明書取得費用
建物の登記の際に登録免許税の軽減を受けるためには、住宅用家屋証明書(専用住宅証明書)が必要となります。
◆ 住宅瑕疵担保履行法による保険料
「住宅瑕疵担保履行法」に基づき、事業者に対する資力確保措置の義務付けが2009年10月1日にスタートしましたが、この費用(保険料または供託金)について国土交通省は、「住宅価格に転嫁することも可能」との指針を示しており、これらの費用負担を求められる場合もあります。(10~20万円程度)
◆ 引越し費用/家具などの購入費用
引越し業者へ支払う費用のほか、家具、調度品や家電製品などの購入費用も見込んでおかなければなりません。
以上、家を建てる際に必要となる費用の詳細をご紹介しました。一見、負担が大きく感じるかもしれませんが、これら全てがあなたの新しい生活を築くための重要なステップです。
それぞれの項目を把握し、きちんと予算を組み立てることで、スムーズに進む家づくりが可能となります。そして、それが自分たちの理想の住まいへと繋がるのです。
「予算」はあくまで「予測」であり、実際のところは各工程で変動する可能性もあります。しかし、見積もりや相場を理解することで、急な出費に動揺することなく、あなた自身の家づくりのプロジェクトを進められるでしょう。
理想の家を建てるためには、計画性と予算管理が不可欠です。しっかりと計画を立て、コストを把握した上で、安心して新しい生活のスタートを切りましょう。それでは、素晴らしい家づくりの旅を、心からお祈りしています。